プロジェクトの3大要素といえば
「品質」「納期」「コスト」
である。
仕事をするときに必要とされるのは、まずは、その3つをどれも及第点に持って行く力である。
どれかがエクセレントであればどれかが欠けていいというものではない。その全てをまず必要なラインにおさめることが重要なのだ。
ここでは陥りやすい二つの点について記述したい。一つめは企業のサイズやフェーズの違いから来る価値観の違いである。もう一つは仕事筋が無い僕たちが陥りやすい罠についてだ。
まず前者に関しては特に大企業との仕事で感じること。
- [品質]一つのプロジェクトに人が多いときなど、仕事をしている=ミスを指摘すること とかになっている。
- [納期]納期はよっぽどのことが無い限り落とせない。
- [コスト]大企業の一担当者はコストにそこまで敏感ではない
- [納期]かなりその人の性格、仕事のスタイルに依存する。緩い人は緩い。
- [コスト]自分の時間が使われることに関しては元々余ってないので敏感。
対してベンチャーは、
- [品質]追い求める人が多い
- [納期]業界に依存。品質を優先する人も結構いる気がする。
- [コスト]人件費には鈍感。機材調達などは敏感。
で、気をつけなければいけないのは、
- 受託である以上当然相手の要求に合わせると言うこと(=相手の価値観、評価基準を考慮すること)
- 受託しているのが自分であると言うことは、自分の価値を出せということ。頼まれ続けるために。そこは第二段階として、提案していく。
「こうした方がよくなると思うので三日下さい!」
とかは(多くの場合)論外。
以上が正論というか前提なんだけども、問題がよく生じるのは下記の状況だ。
- (顧客側)相手の担当者がどう考えてもプロジェクトの基準を理解していない
- (受託側)自分たちが仕事慣れしていないために、プロジェクトの価値観がずれていることに気づいていない
ex. ちょっとだけ更新が楽になるという理由でユーザーの使いやすさが犠牲になっている とか
後者に関しては、特に未熟な僕たちにはよくあることなんだけども陥りがちな罠をいくつか。
- 「品質過剰君」
納期とかコストとかぶっちぎりで(往々にして己のこだわりで)過剰品質な提案をしてくる。しかも正論だったりするとたちが悪い。
ex. プロジェクト終盤のぎりぎりの状況で、「このサイト、全部アクセシビリティが低いからコーディングを修正するべきだよ!」 それが適切な場合もあるとは思うが。そもそもそういう人と議論するだけで疲れることも。
→「落としどころ」「ROI」を体得しろ! - 「見積もり甘め君」
まぁ僕も(特に昔は)こういう傾向があったんだけど、プロジェクトの納期を最終的に守れない人。結果だけ言うと。で、本当に見積もりが甘いとプロセス・コミュニケーションも壊滅してしまうので仕事が無くなる。まぁこれは価値観っていうより技術によるところも多いけど。 めんどくさいのは、中途半端な責任感から、ちっとも冷静な計算をしていないのに「間に合います!」とか言うやつ。(ずっとそうでした。。。。)
あと、修正があることをそして、修正の確認があることをすぐに忘れる人。確認って何? みたいな。
ex.下請けに成果物を提出させるのが納期の直前なディレクター
→確認・見積もりは何度も振り返って蓄積し、向上させなくてはいけない技術。中途半端な責任感はいらない。 - 「コスト度外視君」
多くの人は自分で給与を払ったこともないし、ものを買いに行くことも少ないので、コストはなじみが薄い。キャッシュフロー?何それ。みたいな。必要もないのに高いマシンをそろえたり、自分の安心のために人を無駄につっこんだり。 - 「投資チキン」
ベンチャー出身にも多くいるんだけど、お金を使うことを極端にいやがる人。ちょっとした機材の購入も、「スタッフががんばればその機材いらないでしょ」とかいってしまう。時に人の気持ちのためにも投資しなければいけないことがわからない。あと、人が長く働くのはタダだと思っている。
- 当然顧客の要求や、最低限のプロジェクトの要素は整える(最初のハードル)
- 自分のずれを意識する(病識)
- そのプロジェクトにおける理想を考える、それを提案に落とす