2011年10月31日月曜日

僕は何故チェックリストを活用できないのか?

「アナタはなぜチェックリストを使わないのか?」を読みました。

これはまさにカンボジアで事業を行っている僕が身につけるべきスキルでした。活用していきます。

まず今ファクトリーで使っているチェックリストがこの本が掲げている「駄目な」チェックリストにひっかかっていることを思い知らされ、改善します。
駄目なチェックリストのチェックリストはこちらからご覧になれます。

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(クリックするとPDFに飛びます。ホームページはこちらから。日本語版が欲しいかたは是非本をご購入ください)

この中でも特に

  • Development
    • A critical safety step and in great danger of being missed?
  • Drafting
    • Fit on one page?
    • Are there fewer than 10 items per pause point?
    • Is the date of creation (or revision) clearly marked?
  • Validation
    • Trialed the checklist with front line users (either in a real or simulated situation)
    • Have you made plans for future review and revision of the checklist?

のあたりがひっかかってますね。日本語で言えば
「チェックする項目を大事な物に絞って1ページにおさめる。そして、使い勝手を考えて今後の更新の予定を立てるべし」
と言うことでしょうか。作りっぱなしのチェックリストをほうっておいた事を今悔やんでおります。。。。

さて、著者は本の中で、沢山の具体例を通してチェックリストの大切さ、有用さ、それにもかかわらず浸透するのが難しい実態を軽やかに描き出しています。少しそのあたりをメモ。

コンセプト

  • チェックリストに単純なことを任せられるからこそ、人間が高度な作業に集中できる。
    • →チェックリストに従うなんて、柔軟さがかける? というのは活用仕方が間違っている
  • 人がチェックリストに従わないのは「優秀な人はチェックリスト・マニュアルが必要無い」「チェックリストなんかバカが使う物だ」「面倒くさい」と思っているから。タダの思い込み。
    • →効果をもっと明確に示せば人は変わるはず。
  • チェックリストは時に人間関係を変える。チームワークを作り、新たな意見を吸い出し、問題解決を行えるようにする
  • 状況は一つ一つ違うからこそ、チェックリストできちんと確認することが必要。
    • →状況が違うからチェックリストが役に立たないなんてことはない。

有用性

  • 建築業界や航空業界の事故が少ないのはチェックリストのおかげ、医療業界にも導入するとミスが少なくなった。
  • 有名レストランでも活用されているチェックリスト。シェフ曰く「料理の質を一定に保つためには、レシピは必ず守らなければならない。」
  • チームワークを促すような項目(手術の前にスタッフ全員が自己紹介する、など)を入れることで問題発見・解決能力が上がる。当事者意識と責任感が高まるため。従業員の満足度は約20%あがり、看護師の辞職率が23%から7%まで下がった
    • →チームワークを促すのにチェックリストが活用できる!
  • ベンチャーキャピタリストによる起業家の見分け方を10数種類に分けたとき、チェックリストを活用する「機長タイプ」は投資リターンの中央値は80%。他タイプが35%以下。
    • →チェックリストは儲かる!

作る時の注意点 (詳しくは上のチェックリストのためのチェックリスト参照)

  • 「ポーズ・ポイント」とは「そこに到達するとチームが立ち止まっていくつかのチェックをしなくてはならないタイミングのこと」節目に設定して、そのタイミングでチェックリストをみんなで確認するようにする
  • 原則として項目の数は5〜9にする。チェックをする時間が一定以上を超えると急にチェック率が下がる。(仕事を邪魔しない物にする!)
  • 現場に導入して改善することが大切。事務所で作っただけの物はそのままでは絶対使えない。実験して結果を見て、意見を聞いて改善していく。(ホーソン効果もありえるので気をつける

その他豆知識

  • ボーイング社は年間に100以上のチェックリストを作っているためほぼ専門の部署がある
  • 緊急時は現場に以下に意思決定権を持たせるかで効率が大きく変わる

 

さて、題名の「僕は何故チェックリストを活用できないのか?」。

自分で考えてみると

  • そもそも良いチェックシートを使えば効果が出るだろう という信念が無かった
  • そのためチェックリストの開発と改善に時間を使っていなかった
  • 使えないチェックリストができあがり、その結果が「チェックリスト=あったらよいけど、無くても良い物」程度の認識になってしまっていた

というあたりかな、と反省しました。これで現場の実行力を上げていく一つのピースが揃った気がしており、改善していきたいと思います。

そのピース、「Job Description → トレーニング → チェックリスト・マニュアル → 評価」の流れと「KPI」についてはまたどこかで書いてみたいと思っています。

 

 

2011年10月19日水曜日

カンボジアの洪水と、コミュニティファクトリー付近の様子について

日本ではタイの洪水がさんざんニュースで伝えられていることと思いますが、実はお隣のカンボジアでも洪水がかなり酷いです。

被害状況については例えばこの記事をご覧ください。

カンボジアでは250人近い死者を出し、27万世帯が被災している。フン・セン首相によると、緊急救援物資は今のところ、7万6千世帯にしか届いておらず、食糧と水が不足している。首相は年中行事の11月に祝う「水祭り」を中止し、「その分の予算を被害の復旧に振り向ける」と表明した。
→ 「深刻さ増す東南アジアの水害 経済にも大きな打撃

既にNGOや政府レベルでの支援も広がってきていますが、そのあたりの様子はこちらの記事をご覧ください。
→「Flow of flood aid speeds up | National news | The Phnom Penh Post - Cambodia's Newspaper of Record

さて私たちのコミュニティファクトリーは、というと、今のところファクトリーそのものは大丈夫です。
少し浸水したり、周りが池になってしまったりはしていますが、作業に大きな支障は出ていません。

しかし何人かの女性達が、家の周りが浸水したことでファクトリーに通うことが出来なくなっています。
かものはしでは今

  • コミュニティファクトリーで働く女性達の被害調査
  • ソトニコム地区の被害調査、NGOの支援の把握

を通じて、雇用支援の実施や緊急支援の実施の検討をすすめたいと考えています。

最後にコミュニティファクトリー周りの様子を写真でお伝えしたいと思います。

ファクトリー前
まずファクトリーの前にあるコミューンホールの前。元々小さな池がある場所ですが、池の大きさがかなり広がって湖に。。。

ファクトリー横
ファクトリー横、作業場所ギリギリまで浸水してきています

い草干し場
普段い草を干す場所の下も水没。

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いろいろと大変ではありますが何とか生産を続けています

2011年10月12日水曜日

誕生日のお祝いをしてもらいました!

10月10日でめでたく29歳になりました。20代最後の年ということで、いつも通りで行きたいと思います。

大変嬉しいことに、Facebookでも沢山のメッセージを頂き、またメールやお電話も頂きました。みなさんあっての青木健太です。本当にありがとうございます。

そしてそれに加えて、カンボジアオフィスでもケーキでお祝いを頂きました。本当にありがとうございます。

パパおめでとう
「パパおめでとう」

ケーキ
ケーキはもちろんSokhaの半額

家族
家族で一枚!ありがとうございました。

働くみんなの夢をきいてみた! 〜 コーチングに向けて

コミュニティファクトリーで働く女性は将来どうなりたいのか、何を目指しているのか。
まず入ったばかりの人であれば、早く上のレベルに到達したいでしょう。
入ってしばらくした人であればチームリーダーになりたいかも知れません。
チームリーダーが長い人であればかものはしの管理スタッフになりたいと思うかも知れません。
また自分で村でお店を始めてみたいと思う人も沢山いることと思います。

私たちのファクトリーは、農村地域の家庭環境や収入の問題で、人身売買の被害に遭いやすい、脆弱な家庭の女性に自立のきっかけ、サポートをすることが目的です。

そのために私たちがファクトリーで大切にしたいと思っていることは

  • 成長志向であること
  • マーケット志向であること
  • 効率的であること

の3点です。特に、成長志向、というのはどういうことか?

それは「このファクトリーに関わった人が、人を問わず、成長していくことが出来るような、そういう組織である」ということです。そのためには例えば、

  • 組織の仕組みがスタッフや女性の成長を支えるようになっている
  • 上司やチームリーダーは常にメンバーの成長を考えている
  • スタッフが成長したいと思ったときに、必要なチャンスやスキル・ノウハウが出来るだけ手に入る

ということが必要になってきます。

それを支えるための仕組みの一つが「コーチング」。上司やチームリーダーがチームメンバーの目標・夢を把握して、約束をしたり、サポートをしたりすることで夢を達成していくプロセスです。

何とかファクトリーの中でそういう動きを生み出そうと試行錯誤を続けてきていますが、なかなかうまく行かない。今回はとりあえず仕切り直しということで、みんなの今考えている将来像をまず一斉にきいてみることにしました。このあと何人かとその夢のために何をすべきか、どういうサポートが出来るかということを話し合っていこうと思っています。

説明中
スタッフ「今日は皆さんに夢を書いてもらいます!」

説明を聞く女性達
女性達が興味深そうにスタッフの説明をきいています

記入中
みんなで一生懸命記入中。わかりやすいようにいくつか選択肢もあります。

質問中
「書き方がよくわかんないわよ!」とスタッフに説明を受けているシングルマザーの女性

かものはしのスタッフになりたい、お店を持ってみたい、豚の飼育をサイドビジネスで始めてみたい、、などなど様々な回答が寄せられました。

今後はこれを元に、誰にどうコーチングをすすめていくのか、また誰にどういったトレーニングをするのかと言うことも検討していきます。

2011年10月11日火曜日

10月以降の生産量の予測について

今日はちょっと堅めの話を。

この2年間ずっとコミュニティファクトリーのボトルネックだった「生産量」がこの10月〜12月にかけて解決するかも、というお話。

生産量の実績と予測
まずこちらが、この半年間の生産の結果と、向こう三ヶ月の予測。大分増えそうなのがわかるでしょうか?

こちらの数字の単位である「人日」っていうのは「1人日=標準的な村の女性が一日で生産するべき量」と定義しています。それは商品ごとの標準生産時間(タクトタイム)に基づいて予測、計測をしています。
※ちなみに、い草チームの人日は「縫製工程=(カッティング)+(ミシン縫製)+(手縫製)+(仕上げ)」の人日のみ計算しています。 (い草織りの工数)、(染めの工数)などなど入っていないため、全体の人数に比べると小さく見えるかも知れません。

さて、それでは生産量をどう予測するかというと、この2年間私たちが考えて使っているのは次の方程式。

(生産量)=(生産日数)×(出席率)×(生産性)×(村の女性の人数、ランク別)

  • 生産日数=工場の稼働日。通常月〜土曜日までの週6日ですが、カンボジアは祝日が多く、しばしばそれが大変です。
  • 出席率=登録されている全員が出席すれば100%。普通の工場では限りなく100%に近い形で安定すると思いますが、村に住む彼女たちは、家庭の事情、農業シーズンの出稼ぎなどなど様々な理由で休むことがあります。有給休暇もありますが、それ以外にも休んでしまうことがあり、それを計測しているのがこの出席率。
  • 生産性=1日に生産するべき生産量の何%作れるか。機械の調子が悪いなどの理由で下がったりすることがあります
  • 村の女性の人数、ランク別=人数が多ければ当然生産量も増えます。しかし、長く働いている女性と、入ってきたばかりの女性では大きな差があります。給与にも連動する「ランク」を今は4段階設定しており、そのランクごとに、1日に生産するべき量が変わってきます

それでは何故今まで生産量が低かったのか、今後上がると考えているのは何故なのかを少し説明しますね。
まず、増加する一番大きな理由は7月、8月の大量採用の効果が9月以降に出てくるからです。

採用と生産参加人数
7,8月で今後の生産量を増やそう!ということで41名の雇用を行いました。2ヶ月のトレーニングを経て、9月、10月から生産人数が増加します!

訓練が2ヶ月に短縮されたこと、彼らが安定して来続けていることがきいてきています。

またもう一つの理由としては生産性の向上も欠かせません。

電気ミシンの導入と生産性の向上
いろいろな手段で生産性の向上を目指していますが、7月から行っているのが電気ミシンの導入。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

電気ミシンを一旦入れたことで少し生産性が下がりましたが、その後は順調に生産性が上がっています。
一部導入した電気ミシンも今後は全縫製担当の女性に行き渡るようにしようと思っています。

ちなみに、「9月の生産あまりあがっていないじゃないか」「8月の結果がやばくないか?」と思った方、非常に鋭いです。

それを最後に説明するために出席率と工場稼働日数を見てみましょう。

生産日数と出席率
8月の出席率の落ち込みと、9月の生産日数の少なさが見て取れるかと思います。

9月は特にカンボジアのお盆(プチュンバン)により1週間休みがあるため生産日数が非常に少なかったのです。しかし、その割には非常に結果が良く、それは出席率や電気ミシン、村の女性の生産人数の増加などが効いていることがよりわかるかと思います。

10月〜12月までは農業の収穫シーズンであることもあり、出席率はかなり安全目にみて、低めに設定しています。それにも関わらず、生産量が第2四半期に比べて40%ほど増加させられるのではないかと考えているのです。
もちろん油断は出来ませんので

  • 出席率を管理するためのヒアリングや調査、サポートの実施
  • 生産性をあげるための、電気ミシン全台導入、チーム分けによる管理、5段階目となる生産性と給与が高い技術ランクを導入、デザイナーの方に指導頂いた基本スキルや製品のショートカットスキルの浸透など
  • 他社連携による製品の確保(現在スタートしたアンコールビスケットの販売、その他かものはしTシャツ、食品の導入)

などを行っていこうと思います。それぞれについてはまたブログでも書ければ、なんて思います。

さておき、特に8,9月は商品がほとんどなく、皆さんにもご心配とご迷惑をおかけしたかと思いますが、10月以降持ち直す予定ですのでもう少々お待ちくださいませ!という記事でした。