先日、クロスフィールズの小沼・松島ペアがカンボジアの事務所に来訪したときにお土産にもらったのがこちらの書籍。お土産物は何がいいかと、うちの村田に聞いたところ、「知的刺激がいいんじゃないか?」ということで書籍を頂きました。わかってらっしゃる!知的刺激、いただきました。
※原題はThe Art of Choosingで、そちらのほうが素敵ではあるが売りにくそう。
翻訳にやや難があるように感じましたが、ビジネス・人生哲学・豆知識まで示唆に富む非常に良い本。読んで良かった。ありがとう。小沼君。
以下に学びを。
選択に関する重要な学び
- 選択してもらう時の注意点:選択肢は適切な数にすること。選択肢の書き方、選択肢の順番には気を遣うこと。
- 選択肢は多すぎるとストレスになる。適切な選択肢は4〜6程度。それ以上多いとコンバージョンが減って売上が落ちる
- →商品を絞るべし。どうしても多い場合はカテゴリを切るべし
- 絞り込み:P&Gが26種類あったシャンプーを15種類に絞ったところ売上が10%上昇した。他社の例でも、流通コストも含めて考えると利益がかなり増えることがある
- 言い方によって選択は変わる。「生きる確率」=1-「死ぬ確率」ではない。
- 選挙で候補者名が選択肢の一番上に書いてあると、得票率が2%増加する。順番大切。
- 選択肢は多すぎるとストレスになる。適切な選択肢は4〜6程度。それ以上多いとコンバージョンが減って売上が落ちる
- 選択するときの注意点:正しく選択するのは難しいが、学習を通じて向上することはできる
- 一般的に正しく価値をとらえて、正しい選択をすることが出来る というのは幻想に近い。
- 多くのことにおいて、絶対的な価値は判断できないもの
- 環境、友人の選択、選択肢の順番、選択肢の書き方(フレーミング)など様々な事にかなり影響を受ける
- 選択とは発明すること。自分の人生がその選択をし、その選択によって自分の人生が変わっていく。(自己達成予言や認知的不協和の解消なども含めて)
- 短期的で反応的な選択を行うときに使う脳と、長期的で論理的な選択を行うときに使う脳は別。どちらの脳を使っているか冷静にとらえてみることが大切
- 一般的に正しく価値をとらえて、正しい選択をすることが出来る というのは幻想に近い。
- 絶対的な「選択できる自由」よりも、「自己決定感」が大切。制約がどの程度あると感じるかは文化によって大きく異なる。結婚相手を全て自分以外が決める形式の方が幸福度が高いこともある
思ったこと
- 自分の選択で環境(友人、職場、読む書籍、師匠、恋人)が作られていく
- 環境によって、その後の選択は大きく影響を受ける
- 自分の選択の歴史によって、その後の選択は大きく影響を受ける(実際にブランドの名前で味覚が変わるレベル)
→自分の選択を変えたければ、環境を選択するべし
その他豆知識と学び
- 「平均以上効果」9割方の人が自分は全体的な知性と能力で見て上位10%に入っていると思っている
- →感情はゼロサムじゃない
- 就職活動で何を重視するか?という項目。最初は理想主義、就職直前には収入が一位に。そして最初から収入を重視していたと記憶を作り替える。自分の最初の選択を覚えていない人ほど、就職に対する満足度が高い
- →無理に一貫性を保とうとするべきでない
- 就職活動で徹底的に自分の意思決定を分析した人は、そうでない人に比べて、採用通知、平均年収が高い。が仕事に対する満足度は低い。
- →例えば就活では収入軸で比較しすぎてしまうように、重要な決定はプロコンや定量的なことだけで意思決定をするべきではない
- 年収10万ドル超えの人たちと、その半分の年収しかない人で総じて幸福度は変わらなかった。むしろ通勤時間と幸福度が反比例する
- →必要な費用を自分でとらえること、収入以外の軸を明確にしてきちんと判断することが大事
- 「心理的反発」しちゃ駄目って事はしたいよね。それを利用して人に物をやってもらったり、好きになってもらう方法もあるよ。
- 酒税10%アップで、消費は3,4%ダウン。たばこは8%ダウン。特に未成年者の喫煙が減る。喫煙のリスクが高い人たちがたばこ税の引き上げを歓迎するという結果。たばこは増税すべき。徐々に。(急ぐと闇市場ができるので)