2011年10月11日火曜日

10月以降の生産量の予測について

今日はちょっと堅めの話を。

この2年間ずっとコミュニティファクトリーのボトルネックだった「生産量」がこの10月〜12月にかけて解決するかも、というお話。

生産量の実績と予測
まずこちらが、この半年間の生産の結果と、向こう三ヶ月の予測。大分増えそうなのがわかるでしょうか?

こちらの数字の単位である「人日」っていうのは「1人日=標準的な村の女性が一日で生産するべき量」と定義しています。それは商品ごとの標準生産時間(タクトタイム)に基づいて予測、計測をしています。
※ちなみに、い草チームの人日は「縫製工程=(カッティング)+(ミシン縫製)+(手縫製)+(仕上げ)」の人日のみ計算しています。 (い草織りの工数)、(染めの工数)などなど入っていないため、全体の人数に比べると小さく見えるかも知れません。

さて、それでは生産量をどう予測するかというと、この2年間私たちが考えて使っているのは次の方程式。

(生産量)=(生産日数)×(出席率)×(生産性)×(村の女性の人数、ランク別)

  • 生産日数=工場の稼働日。通常月〜土曜日までの週6日ですが、カンボジアは祝日が多く、しばしばそれが大変です。
  • 出席率=登録されている全員が出席すれば100%。普通の工場では限りなく100%に近い形で安定すると思いますが、村に住む彼女たちは、家庭の事情、農業シーズンの出稼ぎなどなど様々な理由で休むことがあります。有給休暇もありますが、それ以外にも休んでしまうことがあり、それを計測しているのがこの出席率。
  • 生産性=1日に生産するべき生産量の何%作れるか。機械の調子が悪いなどの理由で下がったりすることがあります
  • 村の女性の人数、ランク別=人数が多ければ当然生産量も増えます。しかし、長く働いている女性と、入ってきたばかりの女性では大きな差があります。給与にも連動する「ランク」を今は4段階設定しており、そのランクごとに、1日に生産するべき量が変わってきます

それでは何故今まで生産量が低かったのか、今後上がると考えているのは何故なのかを少し説明しますね。
まず、増加する一番大きな理由は7月、8月の大量採用の効果が9月以降に出てくるからです。

採用と生産参加人数
7,8月で今後の生産量を増やそう!ということで41名の雇用を行いました。2ヶ月のトレーニングを経て、9月、10月から生産人数が増加します!

訓練が2ヶ月に短縮されたこと、彼らが安定して来続けていることがきいてきています。

またもう一つの理由としては生産性の向上も欠かせません。

電気ミシンの導入と生産性の向上
いろいろな手段で生産性の向上を目指していますが、7月から行っているのが電気ミシンの導入。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

電気ミシンを一旦入れたことで少し生産性が下がりましたが、その後は順調に生産性が上がっています。
一部導入した電気ミシンも今後は全縫製担当の女性に行き渡るようにしようと思っています。

ちなみに、「9月の生産あまりあがっていないじゃないか」「8月の結果がやばくないか?」と思った方、非常に鋭いです。

それを最後に説明するために出席率と工場稼働日数を見てみましょう。

生産日数と出席率
8月の出席率の落ち込みと、9月の生産日数の少なさが見て取れるかと思います。

9月は特にカンボジアのお盆(プチュンバン)により1週間休みがあるため生産日数が非常に少なかったのです。しかし、その割には非常に結果が良く、それは出席率や電気ミシン、村の女性の生産人数の増加などが効いていることがよりわかるかと思います。

10月〜12月までは農業の収穫シーズンであることもあり、出席率はかなり安全目にみて、低めに設定しています。それにも関わらず、生産量が第2四半期に比べて40%ほど増加させられるのではないかと考えているのです。
もちろん油断は出来ませんので

  • 出席率を管理するためのヒアリングや調査、サポートの実施
  • 生産性をあげるための、電気ミシン全台導入、チーム分けによる管理、5段階目となる生産性と給与が高い技術ランクを導入、デザイナーの方に指導頂いた基本スキルや製品のショートカットスキルの浸透など
  • 他社連携による製品の確保(現在スタートしたアンコールビスケットの販売、その他かものはしTシャツ、食品の導入)

などを行っていこうと思います。それぞれについてはまたブログでも書ければ、なんて思います。

さておき、特に8,9月は商品がほとんどなく、皆さんにもご心配とご迷惑をおかけしたかと思いますが、10月以降持ち直す予定ですのでもう少々お待ちくださいませ!という記事でした。

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