カンボジアやタイの日本人経営者やマネジャーから「現地のスタッフが簡単にちょっと給与の高いところに転職してしまってムカつく」という話を聴くことがある。
まぁまず実際給与の理由ではなくて職場の人間関係とかが原因にあることを良かれとおもって伝えてくれないというのが大きな原因だったりする。退職面談を本当に安全な形で実施することが大事で、こちらも傷つくんだけどそこで手痛いフィードバックをもらうことが大切だ。
ただ、それ以上に最近思うこととしては、なぜそんなに「ムカつく」のかということだ。たしかに色々と夢を語り合った仲間がやめる、とか、実際に仕事の引き継ぎとか考えてなくて実害があるということもあるだろう。ただそれだけでは説明がつきづらいくらいムカついている人に会うこともある。
ここで一つの仮説。それは「その人自身が、本当に我慢して会社に居続けているのでは?その痛みと向き合ってないのでは」というパターン。自分の中にある葛藤や痛み、被害者意識を消化できていない時、人がその行動を無邪気にとっているほど怒りが湧くことはありません。心理学的にも「投影」と言われる現象の一部だと思います。
あたかも「簡単に」やめてしまっているように見える現地の人を見かけて心がざわついたら自分自身に問いかけてみてください。
- 本当は自分がやめたいとおもっていて、やめれないというその痛みをその人にぶつけているだけじゃないか
- 簡単にやめているようにみえるのは思い込みで、もっと色々な思いをもっているのではないか。それに目を向けられないのは経営者としての、マネジャーとしての痛みに向き合えないからではないか
それだけで必ずよくなるかどうかなんてわかりませんが、自分自身の課題を相手に無意識に押し付けても、問題が再生産され続けるだけなのでそれほど非生産的なことはありませんから。