2007年1月23日火曜日

社会変革のデザイナーたち3 「ソーシャル・ファイナンス」2

ミュージックセキュリティーズ 小松社長

ビジネスモデルは個人投資家から音楽を発売するための小口の投資をあつめて、音楽を販売して、リターンを出している。

ビジョンはもっと音楽を自由に出せるようにすること。
※従来の音楽レーベルとの違いを説明する。主体が個人投資家になっている点が大きく違う。説明がわかりやすい。

プロモーションを個人投資家が担うのも大きな力になっているのでは?

ファンドの申し込みや契約などすべてのオペレーションもインターネット上で完結している。
自分が投資したアーティストの状況も全部インターネット上で閲覧することができる。

また、二つめの特徴として、ファイナンシャルリターンだけではなく、(アーティストとコミュニケーションをとれたりすると言う)コミュニティリターンを持っていること。

三つ目の特徴として、個人投資家がプロモーションをするためのツールとしてブログパーツや、メール機能などを実装している。

現在40本ファンドを回している。

一つは柏レイソルをベースとしてチームの応援歌を作ってしまおうというプロジェクト。チームの応援という文脈でうまくいった事例。

取締役の方から、コミュニティファンドの説明。 かものはしの横展開においても参考になるやも。

応援したいという思いが金銭以外のドライバーとなり、コミュニティリターンという形でリターンを多様化し増やしている。
「投資自体がエンターテイメント」人の成長を応援するというエンターテイメント。

そのほかにも

  • ゲームファンド「ときメモファンド」
  • スピカ パン債  町のパン屋さんの事例 利子をパンで返していたが、結局のところ投資家とパン屋の関係性にも価値があったということ。(関係性が切れるなら償還しないでいいといった人もいたそう。)
  • 自然エネルギー市民ファンド
そういった事例からも個人が自分のお金をリスクを少なく投資するという時に、経済性以外の観点(主観、価値観)によって多様化していくと言うことがいえるのではないか。

今後は音楽以外、たとえばレストランとかNPOとかのファンドをインターネットを活用した形でやっていきたい。

井上さん「お金の出し方もいろいろある。お金の返し方もいろいろある。個人の価値観に従ってそういう投資のお金がソーシャルな分野に流れているということ」

会場「そこにお金を出したところでどの程度社会が変わるかというソーシャルのパフォーマンスをどうはかるのか?」
アラン「助成金を申請するかたちから投資家を募るという形に変化する。ビジネスが始まる。政府がやればどの程度のお金がかかるのかということも一つの指標になる。そして年次の報告書を書くことになる。もちろん社会変革には目に見えない変化もある。ただ、財務的な観点で無駄をなくすといったことが必要ではある。アメリカで毎年ソーシャルベンチャーのランキングが発表されるが、社会サービスにどの程度効率的にお金を使えているかということを発表している。」
シンクレア「会計士を入れてきちんとチェックはしている。ただ、経営のメンバーと、スケートボードで滑っている少年たちとに同じくらいわかりやすい説明ができるようにシンプルな指標をもつことができれば成功するだろう。」

会場「資金調達のやり方が変われば、既存の財団などはどうなるのでしょうか?」
アラン「社会変革者は現状を揺るがすのが役目。助成金を受け取る財団は、資金調達のやり方が変われば、それに気づき自分たちのモデル(いろいろな提案書をただ待っている)を変えていく可能性がある。社会サービスのやり方を変えるのに伴って財団のやり方を変えればいいし変わらないなら解体すればいい」



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