2007年5月31日木曜日

事業家の一分

LUNARRの高須賀さんのお話を聞く機会があった。

詳しい紹介はサイボウズ創業者の高須賀氏が見果てぬ世界一への夢:前編を見ていただければ。
松下電工の社内ベンチャー、サイボウズの操業と上場、突然の引退とアメリカ、オレゴンでの新規ベンチャーで奮闘中という根っからのシリアルアントレプレナーである。

もやっとしていた自分の頭をふっとばしてくれるだけのエネルギーをいただくことができた。そういう意味で本当に濃いセミナーだった。目の前の1メートルのところで自分のやっている事業のことを本当に楽しそうに語っている。何でもMSやサン、シスコなどに負けないメガベンチャーを目指して、すでにかなりの額を投資されて事業を進めているご様子。

事業の中身については「パンチラ」程度にしか教えていただけなかったが、年内に動きがあるようなので、それは楽しみに待っていることにしよう。

ETIC.の方が議事録などおとりになっていたので、この後どこかに公開されるだろうから、僕は印象に残ったことだけ。

  • 社員やお客さんを相手にエンターテイメントを演じている孤独な夢見る経営者
という印象。世界を相手に、といってもいいかも。
孤独というのは適切ではないかもしれない。信頼関係で結ばれている人は本当に多いんだろうと思う。でも自分のワクワクを一番信頼している、そんな人だった。


あとはお話を聞いた中で印象に残った言葉を。

  • (サイボウズ時代)20億くらいまではびゅーっとそんなに苦労せずに成長できた
  • 社長をやっていると先が見えてくる
  • (上場企業で)事業の成長が頭打ちになると、会社を成長しているように見せるために「足し算のM&A」を行わなければいけなくなる
  • 資本政策は油性のマジックのようなもの。一度発表すると消せない。(慎重に自分の頭を使うべき。)
  • (少なくとも自分の価値観では)資本出したやつが偉いというのは間違っている。知恵を出して事業やっているやつがステキ。
  • (金融、VCなどで)世の中でお金が余っているのでお金の価値が低下している
  • 評価制度や人事制度はトップが手をつけるものではない。トップがやっていることを一番重要なものだと社内は認識する。トップが内を向くと、社内が一気に内を向く。トップは上向き、前向きじゃなくてはいけない。
    たいていの問題は事業が成長していれば問題ではない。
  • 事業を変えるなら、組織を同時に変えるな。組織を変えるなら事業を同時に変えるな。(マッキンゼーの7sなどにだまされるな)
  • 上場(準備)は内向きな仕事が多くなるので、あまり急いでやるものではない
  • ナレッジワーカーの生産性を高めるのがライフワーク(今度のベンチャーもその文脈とのこと)
  • 事業のF(x)のcap(ポテンシャル)がどれだけ大きいかが勝負。
  • ベンチャーは大企業の新規事業でも、中小企業でもない「不確実性の極大化」ということ。
  • ネットベンチャーはアメリカの方が2年ほど進んでいるのと、世界のシェアも日本の2倍くらいある。アメリカをとらなくては世界をとれない。
  • 20歳のころはバンドとパチンコにあこがれた。バンドの経験(作曲や、曲のイメージを伝える作業)が今役に立っている
  • ベンチャーに人を誘うとき、「いろいろなことを忙しくやらされる分、総合力や経営に近い能力も身につくが、もしかしたら、便利に使い倒されるだけかもしれないぞ。スペシャリストにはなれないかもしれない」ということをきちんと説明している。
  • 自分が作った会社を辞めて新しい会社を興すのだから、自分が会社に残った時に比べてより大きなソーシャルインパクトを起こすのは当たり前
事業家の中での野茂という感じか。いろいろな人がそれに続いていくためにも、まずはアメリカでの事業の成功を祈念している。