「仕事を一緒にしたい」と思わせる関係性を作るための2つの自覚
さて、最後に最近やっと思いが至った、関係性を築くために常に気をつけなくてはけないこと、それは自覚することです。
何を自覚するのか、それは「自分のメンタルモデル」と「場や関係性を支配するランク」の2つでしょうか。
メンタルモデル、認識の歪みを自覚する
前者はつまり思考のクセに気づくことです。U理論のダウンローディングだったり、システムコーチングで言う所の推論のハシゴだったり、まぁ認知行動療法でよく言われる事実から解釈への流れだったりが近いのでしょうか。書いておいてなんですが、それぞれをテーマに勉強して掘り下げていきたいですね。
人はかなり無意識に思考をショートカットするクセがあります。ヒューリスティックに効率的に物事を処理するための工夫です。これは気をつけないと自己認識の歪みや差別にすぐにつながります。
「彼は高卒だからXXXだよね」「おれはどうせダメだから彼が言っているのはXXXという意味に違いない」とかかなり勝手な当てつけや解釈が入っていることが多いです。 普段はそうやって物事をジャッジしていかないと意志力を使いはたしてしまうのでしょうがないのです。
ただうまくいかないとき、ここぞというときに相手の言っていることをきちんとゼロベースで受け止めたり、自分の思考の歪みに気づいたりする勇気を持つことが大事です。これが1つ目の自覚。
ランクを自覚する
で、後者の「ランク」っていうのが厄介なことでして軽く説明しますね。というかランクについてブログを書きたいなと思って今やっと到達したんですが、前説長かったですね。ランクっていうのは人間のランキングみたいな話ではなく、自分が感じる「段差」の話です。
※僕が読んだのはアーノルドミンデルの紛争の心理学という書籍でですが、うろ覚えなのでこれも勉強リストに。
みんなで話し合おうと思ってミーティングを持ったとき、その場を支配するその人たちの「属性」の差が健全な議論を邪魔することがあります。
例えば「知的レベルの差」「学歴の差」「収入の差」「被害者性の差」などなど。知的レベルの差が場を支配している例 といえば、「頭がいい人しか発言できない、深い発言だけが許される」という認識のことです。
重要なのはその差と感じているものはあくまでも「認識」であって、事実とは全く限らないということです。特に「自分は頭悪いので」と思っている人にありがちな「自分の意見は大したことないので言わないのでおこう」「とてもじゃないけど怖くて発言できない」という「認識」が起きがちですが、意外と周りの人は全くそう思っていないということはよくあります。前段の認識の歪みともからむので、まずはそれが「自分の思考のクセ」から来ている思い込みじゃないか ということを疑う勇気が必要です。
逆に、「頭良い発言を繰り返している人」だったとして、その人も自覚が必要です。ミーティングの目的にもよりますが、その発言や立ち居振る舞いが作り出しているランクに気づかないと、場や関係性から心理的安全がどんどん失われていきます。
例えば権力のある人が偉そうにしていたとして「上から目線で話されるので関係性が構築できない」というのはわかりやすいケースです。
ただ、分かりづらいケースが、「被害者意識が作るランクの差」でしょうか。「自分は被害者だから」 → 「自分の話は無視されやすい、大切に扱われるべきだ、あの人がああいう言い方をしたのは偏見じゃないか」みたいなことを自分で先に勝手に想定して相手の言うことを受け止められないことが多々あります。
いずれにせよその場の関係性や自分自身の喋りにくさ、そして人との健全なコミュニケーションを阻害する要素として、その場その場を支配する「ランク」というものがあるんだと思ってください。そしてそれを自覚することは、関係性を構築するのに役立ちます。
議論の土台のズレ、発言の土台のズレが間違った解釈をうみ、関係性を壊していくというのは多分すべての人が経験を持っていることではないかと思います。そのときにふと、お互いの共同作業として「どういうランクが場を支配しているか」「それによってどういう発言がうまれたか、抑圧されているか」「それによって自分の解釈はどうゆがんだか」ということを見つけられれば、必ず相手との関係性を良くヒントを得ることが出来ます。
気づいた人が一歩進んでその段差を乗り越えてみる、そうすると驚くほど話が通じるようになることがあるのです。
結局仕事を一緒にしたい奴って?
色々関係性やコミュニケーションについて難しく書いてしまいましたが、何か参考になったでしょうか? 自分が囚われているメンタルモデルやランクを自覚できるようになると本当にラクにいきれるようになり、相手が囚われているメンタルモデルにきづけるようになると傷つかずにその人の言葉を受け止めることができるようになります。
メンタルモデルっていうより「とらわれ」とか「呪い」とかの方がわかりやすいかもしれませんね。
結局人と真摯に向き合って生産的な関係性を築いていける人と一緒に仕事をしたいよね、そのために大事な考え方ってなんだろう、という話でした。