2018年2月10日土曜日

自尊心の時間積分という話

自分の価値は自尊心の時間積分
自尊心はどれだけ条件を緩くしていっても自分の存在を自分で承認できるか、という自己認知
なので人生は1つずつ条件を外しながら自分を承認していくプロセス
その阻害要因をなくすのがかものはし、承認するための武器を提供するのがSUSU
と先日自分のfacebookに書いたところ「なんか面白そうなことをいってるんだけど分かりづらい」という声を(自分の親父を含め)多方面からオンライン・オフラインでいただきまして、しかもこの前飲み会でわざわざ説明するということまで行い反省をいたしました。

僕としては一行目にややわかりづらい言葉を入れておくことで、興味の薄い人たちからの批判をされないようにしよう という卑屈な思いがあったのですが、裏目に出ました。
さてなんかテーマ的には面白いと思ったので多少の解説記事を。

自分の価値は自尊心の時間積分

まずそもそも定義がクリアじゃない話が書いてあるのでわかりにくいのですが、自尊心は次の文にかいてあることもあり、僕が思っている時間積分の話を書きますね。

皆さん日ごとに、週ごとに、月ごとに「自分のことをどれくらい好きか」「自分にどれくらい価値を感じるか」って結構上下しないですか?僕がこのfacebookの投稿をすることになった直接のきっかけも、良いミーティングができて気分がすごいアガったのと、うちの工房での問題があってすごいサガったというのがつづけさまに起きて、ジェットコースターみたいな気分になったところから端を発しています。

「自分の価値」というものがあったとして、それはそんなに時間によって上下するような値ではないはずです。ただ、「自分の価値をどう感じるか」というのはすごい変動します。ジェットコースターのように。自信とかもそうですね。

図で書いてみるとこんな感じでしょうか?

で、積分というのは、まさにこの赤い斜線部にあたる面積を求めるということです。自分に価値を高く感じる時間が長ければ長いほど良いよね、といってみたつもりでした。

え、自分がしんどかったことも人生では大事なんじゃないの?

この話を飲み会でしてたとき、一緒にいた別の起業家から「僕は自分が辛かった、自分を認められなくてもがいていた時も大事なタイミングだと思ってます」というツッコミをもらいました。素敵。

僕もその通りだと思っています。

だけどそれは、その経験をきちんと消化して、後から考えるともっと自分のことが好きになるという感じかな、と。その凸凹が自分の後々の自尊心をあげて行くという感じでしょうか。だから凸凹は悪ではなくてむしろ善だとおもいます。

自尊心はどれだけ条件を緩くしていっても自分の存在を自分で承認できるか、という自己認知

さて二行目ですが、これはこの上の曲線をどうやってあげて行くかという話です。

一回のMTGや事件で一喜一憂しすぎたら不安定で大変です。それよりもうすこしベースに自分は「大変な時でも頑張れるから」価値がある、とか、「このポジションで頑張っているから」価値があるとか思えていた方が楽ですよね。

でもそれも条件付きの自己承認なので、職を失ったらとか、人と比べたらといって不安になることは多いです。もっと条件を緩くしていって、究極的には「自分は存在しているので」価値がある。「俺の細胞は分裂しているので」価値がある。くらいに思えると楽です。一定以上落ちなくなります。

なので人生は1つずつ条件を外しながら自分を承認していくプロセス

どういう風なときに上向きになるのか、そのベースは何かということはほとんど人生のテーマみたいな話であり大変難しいことです。もちろんマインドフルネスやポジティブ心理学がいくつかのヒントを与えてはくれるわけですが、自分たち自身の育ってきた環境やトラウマなどによって大きく影響されることでもあります。

例えば親から小さな頃にしっかりと無条件の愛情をうけるとそのベースができやすく、逆に虐待を受けると愛着障害になり基盤が不安定になることと言われています。
もしくは性的な虐待に繰り返しあってしまった人であれば、「自分の体は自分のものではなく、価値がないものだ」と思い込まないと辛くていきていけない、と伺ったことがあります。本当に辛い話です。

そういう辛いことを自分で消化して「それでも自分には価値がある」とか、自分の頑張って行ったことをきちんと認めてあげて「だから自分には価値がある」とおもうことを繰り返していくことでだんだんとその曲線の傾きの極端さがなくなったり、右上に向かっていくことができるのではないでしょうか。それが大事な人生のプロセスだと思います。

その阻害要因をなくすのがかものはし、承認するための武器を提供するのがSUSU

幼いうちにうける性的な人身売買というものは、その基盤を破壊します。だからその被害を少しでも減らして、そんな目にあわせないようにすることが大事。もしくは被害にあってしまった人が自分の体のコントロールをとりもどし、自分の人生のコントロールを取り戻し、自分を愛せるようになる支援をしていくことが大事です。

それがかものはしが取り組んでいることの大部分にあたります。だから阻害要因をなくす、と書きました。

そしてその先に、もしくは多くの方々がどうやってどんどん自分で自信をつけて人生に立ち向かっていくかということにチャレンジするときの武器を提供しているのがSUSUだと思います。安心安全な職場で品質の高いものづくりに仲間と取り組みながら得ることができる、「ライフスキル」という武器を手に社会に旅立っていく女性たちの旅を応援する団体だからです。

もうすぐかものはしを卒業するわけですが、そういう意味では本当に地続きの事業をやっている二つの団体。今後も手を取り合っていきたいと思います。

Zenback