2013年4月6日土曜日

Webを育てるという仕事

色々と新規事業を考えているか関係で、シェムリアップでの痛烈なIT人材不足に悩む。

いくつか事業のアイディアと受け皿、既存事業の強化ということできちんとITが出来る人材がいてくれたらなぁ。

イメージしているITの仕事は下記のような事。

  • Webを管理して物を売っていく力
  • 簡単なデータベースのセットアップとそれを活用していく力

ECサイトや、ツアー販売のサイト、人材管理のDBなどを作っていきたい。3社くらいで一気に働いてくれればちゃんと人件費も出せると思うんだけど。(しょぼくて申し訳ないんだけど)

今日ちょうどIT系で食べていくにはどう実力を付けていくかっていう話を人としていたのでメモ。

  • 仕事上必要なKPIをきちんと定義する力
  • Webを構築する力(もちろん外注使って良いんだけど)
  • Webマーケティング系の基礎知識。特に広告周り、解析周り
  • A/Bテストを定期的に実装していく
  • その上できちんと企画・実行・解析・反省をしていく力

というのが必要かなぁ。

もちろん基礎としての

  • 決まった時間に出社して
  • 1日にやることをきちんと定義してやりきり
  • 上司に報告、相談をする

力は言わずもがなです。

で、スキルなんて分解していけばいくらでも細かくかけて、書き終わった頃には陳腐化するので↑のことはあまり意味ないですね。むしろWebってそこにあることは始まりでしか無くて、仕事の成果(コンバージョンだったり)を定義してそれに本気で取り組むっていうことですよね。

目標をきちんと考えて、毎月入力して なぜ達成できないのかを分析して、 達成できなかったら本気で悔しがって、っていう中で↑みたいな必要なスキルは絶対身につけたくなるはずで。

目線を高く、情熱を持てるかどうか、そういう仕事が出来る人を募集しています。

2013年1月26日土曜日

瓜生原琢実という男

瓜生原琢実という男がいた。 

まず気になるのは名字だ。うりゅうはら、と読むらしい。なんと日本に20人ほどしかいない貴重な名字だそうだ。ありきたりな名字の僕からすると、うらやましい限りだ。自己紹介で会話が弾む。
 
その男は大学院の入学と同時に休学届を出し、世界一周の旅に出た。
 
そして、バンコクで睡眠薬強盗に出会ったのち、かものはしプロジェクトのカンボジアオフィスに6ヶ月ほどインターン生として働いたのであった。睡眠薬強盗については彼のブログ(ウリリン滞在記)に詳しい。
 
さて、彼が担当となった営業部門では、多くの売上がカンボジア国内での直営店からうまれていた。
いくら彼が日本から来た優秀な大学院生といっても、小売の仕事をしたことがあるわけではない。特に英語で仕事をするという環境で、最初はミーティング一つとっても苦労しているようだった。そしてなにより、カンボジアオフィスにとっても本格的に長期で学生のインターン生を受け入れるのはこれが初めてであったのだ。
 
そんな訳で、果たしてどのくらい彼が貢献できるのか、はたまた何も出来ないのか、全く見当がつかなかった。
 
しかし、その彼が6ヶ月間で営業部門を大きく成長させた。そして、彼自身も色々なことに悩みながら、大きく成長しているように僕には見えた。それは、僕にとっても今後も積極的に学生のインターン生を受け入れて行こうと確信するに十分なものだった。ある意味、他の学生にとってはレベルの高すぎる前例だったのかもしれない、とすら思う。
 
 
彼との出会いは、かなり前にさかのぼる。世界一周に出る前に、ETIC.の紹介を受けて面接することになった。
今でもはっきり覚えている。僕にとってはかなり衝撃的で、悔いの残る出会いだったからだ。
 
なんといっても、彼は面接の後、インターンとしてかものはしで働くことを辞退したのだ。
「一緒に働く仲間として本気であるように見えない」
というのがその理由だった。
 
これはガツンと来た。僕の面接のときの態度、姿勢に強烈にダメ出しをされたからだ。 
 
少し言い訳をさせて貰えれば、僕は育児休暇で家に戻ってたこともあり、一部子どもの世話をしながらSkypeをしてしまったこと、そして話してすぐ「この子は合格だな」と思ってあまり突っ込んだ質問をしなかったことがあった。せっかく書いてきてもらった課題もさらっと済ませてしまったのは、申し訳なかったなと思っている。
 
なんていうのはやっぱりただの言い訳で、自分の姿勢に大きな問題があったわけだ。このままお別れするのもあまりにもったいないと思い、こちらからお願いして再度面接をしてもらった。事務所で行った二回目の面接を経て、何とか一緒に働けることになったときは、ほっと安心したのを覚えている。
 
 
紆余曲折を経て、彼がカンボジアに赴任してきたのは2012年7月のことだった。Molykaという営業マネジャーとともに小売店舗の強化にのり出した。
本当に色んなエピソードがあった。ここに書けないような事も。
  • 販売員をやって日本人のお客さんに気に入られ、ビールをもらって帰ってきたこと
  • 得意のデザイン能力をいかして、持ち帰りにつかうビニール袋やカードなど様々なデザインを手がけたこと
  • 営業チームの成長のために、ひたすらにトレーニングや一緒に考えるということをやり続けたこと。特に丸一日かけて資料を一緒に作ったりしていたこと。
  • ショップスタッフの研修と評価のために、星取り表を開発し、定着させてくれたこと
  • 日本語ガイドのチャンレイをトレーニングし、ときに怒り、ぶつかり「たくみさん、こわいです」と言われていたこと
  • インターン同士での勉強会、振り返り会、シェムリアップでのイベントなど積極的に行っていたこと
  • 小さなプロジェクトも積極的に色々引き受けてこなしてくれたこと
  • 後続のインターンのために積極的に制度を助言したり、資料をまとめたりしてくれたこと
  • 30km離れたCFまで突然ランニングしていこうとしたこと(これは失敗したのだけど)

そのどれをとっても、成果を出すことに本当に真剣で、自分の成長に貪欲だった彼ならではだと思う。

ここであらためて、彼に伝えたいことがある。それは、何よりも感謝、そして少しばかりの助言だ。

君がこのコミュニティファクトリー事業を前に進めていくために誰よりも努力をして、歯痒い思いもしながら頑張っていたこと。人材育成のテクニックだとか、営業のロジックだとかそんなことよりも、まずその気持ちが間違いなく今の営業スタッフにも引き継がれています。目に見えて成果にこだわるようになったし、達成しなければ悔しがってしっかり振り返りを行うようになった。その分析だって、半年前に比べるとかなり良い。

なんと、先週のSales / paxは$14.4だぜ!感動的。

その君が切り開いた道が、多くの女性達を今後も雇っていくための原動力となり、多くの学生をコミュニティファクトリー事業にインターンとして受け入れる道となりました。本当にありがとう。

あえて助言をするとすれば、うーん。焦らずにじっくり物事を進めれば良いと思うよ。君が世界のエネルギー問題に一石を投じる日が来るのを確信しています。 あえて言えば、相づち力かな(笑)
例えエネルギーじゃなかったとしても 、自分の信じた道をじっくり進みなさい。

あ、うちの娘の名前の由来になった言葉を贈る。

「静かに行く者は健やかに行く。健やかに行く者は遙か遠くまで行く」

まだ世界一周中だと思うので、気をつけて学びのある旅になりますように。

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岩山を登るうりくん

 

2012年12月22日土曜日

レップはやく元気になって欲しい

コミュニティファクトリーで働く女性として4年間マジメに働きとうとうスタッフとして採用されたレップ。

最近ずっと体調が悪く、どうにも治らないので、シェムリアップの州立病院に連れてきてもらって検査入院。

心臓の病気なのではないか、という疑いがありしっかりと検査をしてもらっています。

農村ではなかなか十分な治療が受けられません。今回だってコミュニティファクトリーの近くの病院(郡の病院)では、一週間入院してなんとお医者さんが来てくれたのが7日目。。。しかも入院中は食事など自分で用意しなくてはいけないのです。

そして検査にかかるお金、薬にかかるお金、もし手術と言う事になればそのお金は、保険がないこの国では本当にバカにならない。彼女の家はID Poorなので貧しい家の証明書があり、NGOが一定額補助してくれることが救いです。

早く元気になってまた活躍して欲しいです!

彼女自身に治療を受けるか受けないかの選択肢はありますが、フェアな状況で選択することが出来ないのもこの国の事実。
彼女と一緒に、自分のことを自分で守れる力をつける、そんな職場作り、国作りに参加できればと思います。

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病院にいるレップ

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なぜかカメラ目線の先生

2012年12月9日日曜日

30才の4つの約束

もう2ヶ月前の事ですが、2012年10月10日に30才になりました。

つきましては大変多くの皆様にお祝いして頂き、本当にありがとうございました。特にシェムレンジャーの方々、別途ブログ記事を書きますので少々お待ちくださいませ。

とりあえずどんな30代にしようかってことと、どんな30才にしようかっていうことを色々考えていました。30才できちんと約束したい事がまとまってきたので公開したいと思います。

僕の30才になった自分との4つの約束は

  1. 健康であること
  2. 家族とともにあること
  3. 人に安心、笑顔、気づきを提供できる人であること
  4. 常に全力であること

です。

 

健康であること

2012年は、二度の入院(帯状疱疹@日本、デング熱@カンボジア)+精神的な落ち込みなど心身共に健康でないために沢山の方にご迷惑をおかけしました。特に、高校時代の恩師に言われた一言がぐさっと刺さりました。曰く、

「それだけ入院があるってことは、免疫が落ちている証拠。不摂生な生活と、ストレスコントロールについて見直した方が良い。30代は乗り切れても40代でぼろぼろになる。またそういうときに癌になりやすいから気をつけなさい」

とのこと。ガツンときました。

食生活の改善、人間ドックに行くこと、運動や瞑想の習慣など30代を元気いっぱいに乗り切るだけの力をつけたいと思います。まず30才最初の12月のハーフマラソンも走れたことですし!フルマラソンなどにも挑戦してみたい。

 

家族とともにあること

今自分の存在や仕事を支えてくれるのは間違いなく家族です。そして娘が2才の今、自分がカンボジアに1人で来ていることで大きな迷惑をかけてしまっています。これは自分の仕事に大きく関わる大切な意思決定ですが、家族とともに過ごす時間を増やすこと、そしてどこにいようとも家族とともにあることを約束にしようと思います。

 

人に安心、笑顔、気づきを提供できる人であること

謙遜でなく、つくづく思うことは、自分自身の能力はたいしたことがないな、ということです。かものはしプロジェクトがここまでやってこられたのは、まさに周りの仲間やメンター、サポーター、ライバルの方々のおかげです。同じ事が返せるかわかりませんが、恩返しながらぬ恩送りということで、周りの人に勇気や笑顔を与える存在でありたいと思っております。とりあえず、ナスに代わる物を考えなくては!

 

常に全力であること

この2,3ヶ月何かずっと違和感がありながら仕事をしていました。何かうまく回っていないような、空振りしているような、頑張り切れていないようなそれでいて腹の底から力がわいてこないというか。

この1ヶ月、色々な本を読み、色々な方とお話しする中でやっとその違和感の正体がつかめてきました。それは、全力で上を目指していなかったということです。一つ一つのプロジェクトの品質、意思決定の品質、行動の品質、一日一日の振る舞い、どれをとってもまだ未熟で中途半端な部分がありました。

19才でかものはしプロジェクトを始めたとき、「かものはしを世界一にする」と紙に書いて壁に貼ったことがありました。

この数ヶ月、そんな、自分を忘れていた気がします。

社会問題をきちんととらえ、団体も事業も自分も成長して問題をしっかり解決する。そのために力を残さず頑張りたいと思います。

自分を磨くということに関しても、もっと貪欲にやっていきたいと思います。決して体を壊したり、家族との時間を犠牲にしたりすることなく全力で取り組むということをきちんと考えて挑戦していきます。

 

さて、このブログは実は、1ヶ月以上下書きのまま保存してありました。多分、最後の約束がうまく自分の中で消化できていなかったからだと思います。きちんと皆さんと約束できるような気持ちになった今、公開することにしました。

本当にまだまだ未熟者ですが、なにとぞよろしくお願いします。

べー

2012年10月24日水曜日

メモ:mobitelでのインターネット使用について

たまに聞かれるし、わかりにくいのでメモ。だれか間違っていたら教えてください。

 

必要なもの

  • SIMフリーの電話機 (日本で購入した電話のほとんどはSIMロックかかってると思うので難しい)
    iPhoneの場合は、香港やマレーシアの物を買うなり、JBからアンロックするなりでお願いします。 
  • パスポート(多分)
  • $8 = $3 for SIM, $5 for 2GB data

手順

  • mobitelのSIMカードを買う
    $3とかで買えます。パスポートを持ってcellcard屋さんに行くのが良いと思います。
  • iPhoneの場合はSIMカッターでカットする
    (iPhoneをあつかってる電話屋でやってくれるはず。マイクロSIMは間違いなく。iPhone 5で必要となるナノSIMはちょっとわかりません。)
  • 機械に入れる
  • 設定をする (後述)
  • cellcardを買ってトップアップする
  • データパッケージに申し込む

という順序になります。 

設定は

  • APN:cellcard
  • ユーザ名:mobitel
  • パスワード:mobitel

になります。


で、データパッケージはSMSで

  • 番号:6767
  • SMS内容:INET3

を送れば、$5で2GBまで使い放題の一ヶ月間有効なパッケージとなります。
なお、その他のパッケージは
http://www.cellcard.com.kh/engine/docs/3-5G/Cellcard_FairUsagePolicy_V2.pdf
の4ページ目にありますがあまり使い勝手は良く無さそうです。

※ただ前に、iPhoneからINET4ってやってみたら4.5GB貰えました。あれは何だったんだろう。

なお、USBドングルの場合はコースが違うみたいですね。多分区別してないので、どちらからもどちらも申し込めるんじゃないかと予測。知らないけど。

その他

なお、現在の残りチャージ額とデータ残り量を確認するには、6767に対して、「124」とSMSすればOKです。

目下カンボジアでmobileのデータ通信で攻めているのはsmart mobileですが、まぁ値段にそこまでの違いもないのであまり気にしなくて良さそう。かくいう僕は、iPhone 4Sでmobitel、USBドングルはmetfoneの物を使っています。

smart mobileの料金表を見てみると2GB以上を結構使う人はsmartもいいかもですね。細かく料金ある感じ。

関連リンク

2012年10月14日日曜日

読書メモ:数学に感動する頭をつくる

良い本だった。なんと言っても著者のバランスのとれた語り口と、その志の高さが爽快な本であった。

自分が高校時代に習った本当にマスターピースのような数学の授業、そのときの様子を思い出した。今でもその数学の授業の先生とは時々飲むのだけど、最近では授業はディスカッション方式になったらしい。この書籍でも触れられている、解き方などを生徒同士で話し合って、式の見方・切り口などを深めていくという形式である。

もちろんこの本は、自分自身や自分の子どもへの数学教育を考える上で、非常に示唆に富んでいる。

しかしそれ以上に驚かされたのは、今、カンボジアで部下を育てなければいけない自分の立場でも参考になることが多々あったと言う事だ。

カンボジア人のマネジャーやサブマネジャークラスに対して、ロジカルシンキングをもっと鍛えたいと最近常々思って色々試している。ちまたの本には「ロジックツリーとMECEです」とか書いてあるんだけど、どうも違和感があった。

もっと基礎的な部分でうまく話がかみ合わない事があるのだ。そしてそれはうまくは言えないが、どうも数学の力が関係あるのではないかと思っていた。

そういった疑問にまっすぐに答えてくれたのがこの本であった。数学のセンス・考える力をいくつもの力に分解しており、至極納得がいき、それぞれ事に確かめたり鍛えたりするヒントをいただいた。

しかし、この本を読んで改めて思ったことは、自分自身がいかに恵まれていたかということである。

小学校〜高校の時、その後も恵まれた環境の中で今までのびのびと勉強していた自分の有り難さを実感し、何とか次の世代に伝えていきたいという決意を新たにすることが出来た。著者の志に触れたからだろうか。

巻末の問題も割とあっさり解けたのは先生のおかげでございます。また飲みましょう。

2012年10月4日木曜日

読書メモ:現場力の教科書

良くまとまっていて現場をとらえなおすのに良い本だと思ったのでシェア。

以下抜粋しながらうちの工房の改善点を。

  • 花王の2010年の経常利益が1200億円程度
  • 一方1986年以来TCRで削減したコストが年間100億×17年
  • 売上原価率が60%→40%に削減

→ 原価の目標・予実管理をするべし。その上で大胆な目標、長期的な目標を立てて地道にトライすべし

 

  • 経営戦略はポーターが提唱したポジショニング理論から90年代に入って資源ベースアプローチが注目を集めた
  • 資源を「有形資産」「無形資産」「組織のケイパビリティ」の3つに分ける
  • 「ポジショニング理論」と「資源ベースアプローチ」の二つの切り口を共存させることが大切。つまり戦略とオペレーションの整合性・一貫性

→ ともにはっきりと定義、共有する必要あり

 

  • 「現場力を測る5つのものさし」
    • コスト
    • 品質
    • スピード
    • サービス
    • 顧客満足:最終的な指標
  • これらのものさしを用いて継続的に測定する

→ 現場力の指標化、KPIへの組み込み

 

  • 行動習慣の四段階
    • ステップ0:意識も低く、能力も低い
    • ステップ1:意識はあるが能力は低い
    • ステップ2:意識すればできる
    • ステップ3:意識しなくてもできる = 組織の「くせ」
  • 多くの会社はステップ2でとまってしまう。そのうち意識が低下してステップ0へと逆戻りする
  • 改善は一過性のactivityではなく持続的な組織能力(capability)である

→ Production Managerに目標と行動を設定させて、現場と一体となって取り組んでもらう

 

  • 基本の徹底によってよみがえったサンドビック瀬峰工場
    • 基本とは5S
    • 自ら知恵を出して工夫すれば、着実に良くなることを肌で感じた現場
    • その後ジャストインタイム生産のコンセプトの導入でリードタイムの短縮、原価低減を進めた
  • 「平時の現場力」が大切。

→ 5Sをどの程度のレベルで実現するか真剣に検討する。基本ノートの実践。

 

  • サービス業のトライアングル
    • 真ん中に顧客
    • サービス戦略
      • サービスポリシー
      • ターゲット顧客
      • サービスレベル
      • 人作り(採用・教育・配置)
      • モチベーション・エンパワーメント
    • システム
      • 仕組み
      • マニュアル
  • 三つの要素の整合性が大切

→ CFのSE部分はサービス業。ポリシー、レベルの定義とシステム化を目指すべし。

 

  • ヤオコーでは値付けや発注、さらには利益管理や出退勤管理などの仕事までパート社員に任せたり、業績に応じて決算賞与を支給するなどの工夫をしている
  • 腐りやすい商品をメインにしている → 現場の当事者意識、判断力、行動力が大切になる

→ CFの商品は決して腐りやすくないが、CFで働く女性達は「クサ」りやすい。SEでの現場の権限委譲をすすめてみる? チームリーダーへの権限委譲も大切

 

  • 現場力を高める基本的なアプローチはスモールチームを作り問題解決に取り組むこと
  • スモールチーム同士が互いの知恵を競って現場力がアップする
  • スモールチームの目安は4〜8人。
    • ヤマトホールディングスでも8人一チームでセンター長一人というチームを構成するのが基本。ヤマトでは「少数になると精鋭になる」と考えている
  • 現場リーダーの役割の当事者意識・情熱を引き出すのが鍵。現場リーダーの役割は自律的に問題解決を出来る人材を育てること。
    • テッセイでは主任とはうっとうしい存在。「時にはうっとうしいと思われる存在になるかもしれない。鬼と呼ばれることもあるかもしれない。でも、そこを乗り越えないと一人前の人材は育たない」という覚悟がある

→ CFのチーム制を推し進めていくべき。リーダーの精神教育、チーム同士の競争、リーダーへのエンパワーメントはもっと徹底的に行うべき。

 

  • 「コマツウェイ」を徹底化するための工夫
    • 社長直属のコマツウェイ推進室、コマツウェイ研修センターの設置。普及・啓蒙活動、人材育成活動を担当。特に経営幹部に対する教育に力を入れる
    • 海外のトップ、および経営幹部を対象とした「トップマネジメントフォーラム」「グローバルマネジメントセミナー」において「コマツウェイ」の実践報告、提言が繰り返されている
    • 海外のミドルマネジャーを対象とした「コマツウェイ・リーダーシップ・ディベロプメント・プログラム」を各国で展開
  • それによりマネジメントの現地化を推進している

→ CFのバリューを定義するにあたって、まず活用場所・徹底方法をイメージすることが大切。評価システムにも組み込むべきだし、朝礼や暗記も行うべき。

 

  • ヤマトでは社員が生み出した満足をポイントで見える化している。満足BANK。
    • 自分が褒める:目標達成による自己評価
    • 仲間が褒める:同僚からの投票
    • お客様が褒める:お客様の声
    • 会社が褒める:全社で実施するキャンペーンの上位者
  • ポイントが一定値に到達するとポイントに応じた色のバッジが贈呈され、上位者は本社主催の表彰式で表彰
  • テッセイではよく褒めた人を褒めるために「ほっと・ぬくもり賞」があり、毎年6名程度(全体で700人程度)を表彰している。褒める文化を定着させるための努力が必要
→ 日本ですら褒め回数を増やす・見える化する必要がある。カンボジアではなおさら。表彰まで徹底して行うのが大切。みんながポジティブな目で現場を見るようになれば、日常の声かけにもつなげていけるはず。まずはスタッフから。

 

  • 部門の壁を乗り越えるためにはワンフロア化、壁の取り去りが大切。物理的な壁が心理に大きく影響する
→ 代表の執務室や2フロア化などはなんとしても防ぐべき。カンボジアの権威主義と徹底的に対抗する。
 
 
  • 現場力が高い = 「組織密度」が高い × 「組織熱量」が高い
    • 組織密度:一体感。イキイキ。人の対話を増やしてあげていく。健全な対立をどんどん行う。
    • 組織熱量:エネルギー。ワクワク。共通の夢・目標を掲げる。煽るためのシンプルな覚えやすい目標の導入
      • 日産リバイバルプラン(NRP) → 日産180(「販売台数100万台増加」「連結営業利益率8%」「有利子負債0」) → 日産パワー88 (2016年度までにグローバルシェアを8%に、売上高営業率を8%に)
  • チャレンジングな目標設定とそれを徹底的にわかりやすいシェア。
→ 覚えやすい数字、ワクワクする感じの名前が必要。チャレンジングな目標を一体感を持って追い求めるべし。
 
 
  • トヨタは日本のマザー工場を基点にして、世界三極のグローバル生産推進センターを設置。Trainer's Trainerとして日本人以外の人材が育っている。
    • タイ人のTrainer's Trainerがブラジル工場を指導するなど
→ 何とかしてトヨタの元Trainer's TrainerをCFに呼べないか検討する。タイ人の方など抵抗が低いのでは?海外指導経験がある方。
 
 
  • 現場力強化のための問題、問題解決の進捗の見える化は切り離せない
  • 問題解決のPDCA:Problem Finding(問題発見)→ Display (見える化)→ Clear(問題解決) → Acknowledge(確認)
  • イトーヨーカドーの見える化の例
    • 問題の見える化:フロアのレイアウト図に問題は赤シール、解決したら青シールで進捗管理にも私用。
    • 基準の見える化:標準作業の見える化、基準在庫の見える化、当日入ったパートが作業出来るレベル
    • バックヤードの見える化:整理整頓の2Sを徹底。デッドスペースを削減し、道具の置き場を見える化
    • 能力開発の見える化:星取り表的な話。作業スケジュールの効率化に繋がった
→ 現場に見える化を取り入れるためにオフィスからまず取り入れる。スタッフに授業を行う。検品基準や手洗いなどの標準作業の見える化に早急に取り組む。

 

  • 見える化の成果が上がらない3つの原因
    • 見える化そのものが目的化してしまう。問題解決の手段でありので、解決すべき問題や何をみせるかについての考察が浅い。
    • 一番大切な悪い情報・問題の兆候が見える化されていない。品質劣化を招きかねないトラブルや顧客を失いかねないクレームが見える化されることが大切。同時に見える化は犯人捜しではないという価値観の共有、実践が大切。
    • おもてなしの欠如。見づらい、見せすぎ、配慮がない。
  • 見える化は10年単位で取り組むべし 
→ 文化にしていくためにはチーム作り、実践の中での試行錯誤が大切。5年プランに入れ込む。
 
 
  • 強い現場を生み出すための7つの要素
    • 業務プロセス:業務プロセス、業務の標準化、役割分担やルールの明確化
    • 人:人材のスキル開発、能力開発、意欲向上
    • 場:問題を発見・解決しオペレーションを進化させる場
    • 組織:フラットでシンプルな組織設計。指揮命令系統、責任と権限の明確化
    • 業績評価:パフォーマンス評価、褒める仕組み、評価指標を決めた上での見える化
    • ICT:仕事の流れのスムーズ化や適切な評価のために必要
    • 共通の価値観:現場力こそ競争力の源泉であるという経営の意思と、独自のウェイの確立・浸透が継続的な取り組みを可能にする
→ このフレームワークに従って中期計画を整理する
 
 
  • 海外ではバリュードリブンとインセンティブのハイブリッドが求められる。仕事に対する思想や文化が違うため。
    • バリュードリブン:現場の改善の源泉を価値観や思想におく
    • インセンティブ:改善の源泉は(金銭面を主とした)インセンティブによって行う

→ どちらも機能すると思っていた方が良いのではないか?いずれにせよ現場の力を引き出すための画一的な方法論はないので、試行錯誤するしかない

 
 

その他豆知識

  • トヨタの現場ではPDCAサイクルを推し進め、PDCAAサイクルとなっている。最後のAはachievement(効果検証)。改善そのものの質を高める仕組みがある。
  • 5→20→100の法則。
    • 5%の志がある核人材に火をつけてテストを行う。
    • 20%の変革人材に広げていく。この段階が大切。
      • 20%が改善を推し進めれば現場で大きなうねりを作ることが出来る

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