2011年10月12日水曜日

働くみんなの夢をきいてみた! 〜 コーチングに向けて

コミュニティファクトリーで働く女性は将来どうなりたいのか、何を目指しているのか。
まず入ったばかりの人であれば、早く上のレベルに到達したいでしょう。
入ってしばらくした人であればチームリーダーになりたいかも知れません。
チームリーダーが長い人であればかものはしの管理スタッフになりたいと思うかも知れません。
また自分で村でお店を始めてみたいと思う人も沢山いることと思います。

私たちのファクトリーは、農村地域の家庭環境や収入の問題で、人身売買の被害に遭いやすい、脆弱な家庭の女性に自立のきっかけ、サポートをすることが目的です。

そのために私たちがファクトリーで大切にしたいと思っていることは

  • 成長志向であること
  • マーケット志向であること
  • 効率的であること

の3点です。特に、成長志向、というのはどういうことか?

それは「このファクトリーに関わった人が、人を問わず、成長していくことが出来るような、そういう組織である」ということです。そのためには例えば、

  • 組織の仕組みがスタッフや女性の成長を支えるようになっている
  • 上司やチームリーダーは常にメンバーの成長を考えている
  • スタッフが成長したいと思ったときに、必要なチャンスやスキル・ノウハウが出来るだけ手に入る

ということが必要になってきます。

それを支えるための仕組みの一つが「コーチング」。上司やチームリーダーがチームメンバーの目標・夢を把握して、約束をしたり、サポートをしたりすることで夢を達成していくプロセスです。

何とかファクトリーの中でそういう動きを生み出そうと試行錯誤を続けてきていますが、なかなかうまく行かない。今回はとりあえず仕切り直しということで、みんなの今考えている将来像をまず一斉にきいてみることにしました。このあと何人かとその夢のために何をすべきか、どういうサポートが出来るかということを話し合っていこうと思っています。

説明中
スタッフ「今日は皆さんに夢を書いてもらいます!」

説明を聞く女性達
女性達が興味深そうにスタッフの説明をきいています

記入中
みんなで一生懸命記入中。わかりやすいようにいくつか選択肢もあります。

質問中
「書き方がよくわかんないわよ!」とスタッフに説明を受けているシングルマザーの女性

かものはしのスタッフになりたい、お店を持ってみたい、豚の飼育をサイドビジネスで始めてみたい、、などなど様々な回答が寄せられました。

今後はこれを元に、誰にどうコーチングをすすめていくのか、また誰にどういったトレーニングをするのかと言うことも検討していきます。

2011年10月11日火曜日

10月以降の生産量の予測について

今日はちょっと堅めの話を。

この2年間ずっとコミュニティファクトリーのボトルネックだった「生産量」がこの10月〜12月にかけて解決するかも、というお話。

生産量の実績と予測
まずこちらが、この半年間の生産の結果と、向こう三ヶ月の予測。大分増えそうなのがわかるでしょうか?

こちらの数字の単位である「人日」っていうのは「1人日=標準的な村の女性が一日で生産するべき量」と定義しています。それは商品ごとの標準生産時間(タクトタイム)に基づいて予測、計測をしています。
※ちなみに、い草チームの人日は「縫製工程=(カッティング)+(ミシン縫製)+(手縫製)+(仕上げ)」の人日のみ計算しています。 (い草織りの工数)、(染めの工数)などなど入っていないため、全体の人数に比べると小さく見えるかも知れません。

さて、それでは生産量をどう予測するかというと、この2年間私たちが考えて使っているのは次の方程式。

(生産量)=(生産日数)×(出席率)×(生産性)×(村の女性の人数、ランク別)

  • 生産日数=工場の稼働日。通常月〜土曜日までの週6日ですが、カンボジアは祝日が多く、しばしばそれが大変です。
  • 出席率=登録されている全員が出席すれば100%。普通の工場では限りなく100%に近い形で安定すると思いますが、村に住む彼女たちは、家庭の事情、農業シーズンの出稼ぎなどなど様々な理由で休むことがあります。有給休暇もありますが、それ以外にも休んでしまうことがあり、それを計測しているのがこの出席率。
  • 生産性=1日に生産するべき生産量の何%作れるか。機械の調子が悪いなどの理由で下がったりすることがあります
  • 村の女性の人数、ランク別=人数が多ければ当然生産量も増えます。しかし、長く働いている女性と、入ってきたばかりの女性では大きな差があります。給与にも連動する「ランク」を今は4段階設定しており、そのランクごとに、1日に生産するべき量が変わってきます

それでは何故今まで生産量が低かったのか、今後上がると考えているのは何故なのかを少し説明しますね。
まず、増加する一番大きな理由は7月、8月の大量採用の効果が9月以降に出てくるからです。

採用と生産参加人数
7,8月で今後の生産量を増やそう!ということで41名の雇用を行いました。2ヶ月のトレーニングを経て、9月、10月から生産人数が増加します!

訓練が2ヶ月に短縮されたこと、彼らが安定して来続けていることがきいてきています。

またもう一つの理由としては生産性の向上も欠かせません。

電気ミシンの導入と生産性の向上
いろいろな手段で生産性の向上を目指していますが、7月から行っているのが電気ミシンの導入。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

電気ミシンを一旦入れたことで少し生産性が下がりましたが、その後は順調に生産性が上がっています。
一部導入した電気ミシンも今後は全縫製担当の女性に行き渡るようにしようと思っています。

ちなみに、「9月の生産あまりあがっていないじゃないか」「8月の結果がやばくないか?」と思った方、非常に鋭いです。

それを最後に説明するために出席率と工場稼働日数を見てみましょう。

生産日数と出席率
8月の出席率の落ち込みと、9月の生産日数の少なさが見て取れるかと思います。

9月は特にカンボジアのお盆(プチュンバン)により1週間休みがあるため生産日数が非常に少なかったのです。しかし、その割には非常に結果が良く、それは出席率や電気ミシン、村の女性の生産人数の増加などが効いていることがよりわかるかと思います。

10月〜12月までは農業の収穫シーズンであることもあり、出席率はかなり安全目にみて、低めに設定しています。それにも関わらず、生産量が第2四半期に比べて40%ほど増加させられるのではないかと考えているのです。
もちろん油断は出来ませんので

  • 出席率を管理するためのヒアリングや調査、サポートの実施
  • 生産性をあげるための、電気ミシン全台導入、チーム分けによる管理、5段階目となる生産性と給与が高い技術ランクを導入、デザイナーの方に指導頂いた基本スキルや製品のショートカットスキルの浸透など
  • 他社連携による製品の確保(現在スタートしたアンコールビスケットの販売、その他かものはしTシャツ、食品の導入)

などを行っていこうと思います。それぞれについてはまたブログでも書ければ、なんて思います。

さておき、特に8,9月は商品がほとんどなく、皆さんにもご心配とご迷惑をおかけしたかと思いますが、10月以降持ち直す予定ですのでもう少々お待ちくださいませ!という記事でした。

2011年9月30日金曜日

「選択の科学」を読んだまとめ。選択をすることの難しさと、選択をしてもらうことの楽しさと。

先日、クロスフィールズの小沼・松島ペアがカンボジアの事務所に来訪したときにお土産にもらったのがこちらの書籍。お土産物は何がいいかと、うちの村田に聞いたところ、「知的刺激がいいんじゃないか?」ということで書籍を頂きました。わかってらっしゃる!知的刺激、いただきました。

※原題はThe Art of Choosingで、そちらのほうが素敵ではあるが売りにくそう。

翻訳にやや難があるように感じましたが、ビジネス・人生哲学・豆知識まで示唆に富む非常に良い本。読んで良かった。ありがとう。小沼君。

以下に学びを。

選択に関する重要な学び

  • 選択してもらう時の注意点:選択肢は適切な数にすること。選択肢の書き方、選択肢の順番には気を遣うこと。
    • 選択肢は多すぎるとストレスになる。適切な選択肢は4〜6程度。それ以上多いとコンバージョンが減って売上が落ちる
      • →商品を絞るべし。どうしても多い場合はカテゴリを切るべし
    • 絞り込み:P&Gが26種類あったシャンプーを15種類に絞ったところ売上が10%上昇した。他社の例でも、流通コストも含めて考えると利益がかなり増えることがある
    • 言い方によって選択は変わる。「生きる確率」=1-「死ぬ確率」ではない。
    • 選挙で候補者名が選択肢の一番上に書いてあると、得票率が2%増加する。順番大切。
  • 選択するときの注意点:正しく選択するのは難しいが、学習を通じて向上することはできる
    • 一般的に正しく価値をとらえて、正しい選択をすることが出来る というのは幻想に近い。
      • 多くのことにおいて、絶対的な価値は判断できないもの
      • 環境、友人の選択、選択肢の順番、選択肢の書き方(フレーミング)など様々な事にかなり影響を受ける
    • 選択とは発明すること。自分の人生がその選択をし、その選択によって自分の人生が変わっていく。(自己達成予言や認知的不協和の解消なども含めて)
    • 短期的で反応的な選択を行うときに使う脳と、長期的で論理的な選択を行うときに使う脳は別。どちらの脳を使っているか冷静にとらえてみることが大切
  • 絶対的な「選択できる自由」よりも、「自己決定感」が大切。制約がどの程度あると感じるかは文化によって大きく異なる。結婚相手を全て自分以外が決める形式の方が幸福度が高いこともある

思ったこと

  • 自分の選択で環境(友人、職場、読む書籍、師匠、恋人)が作られていく
  • 環境によって、その後の選択は大きく影響を受ける
  • 自分の選択の歴史によって、その後の選択は大きく影響を受ける(実際にブランドの名前で味覚が変わるレベル)

→自分の選択を変えたければ、環境を選択するべし

その他豆知識と学び

  • 「平均以上効果」9割方の人が自分は全体的な知性と能力で見て上位10%に入っていると思っている
    • →感情はゼロサムじゃない
  • 就職活動で何を重視するか?という項目。最初は理想主義、就職直前には収入が一位に。そして最初から収入を重視していたと記憶を作り替える。自分の最初の選択を覚えていない人ほど、就職に対する満足度が高い
    • →無理に一貫性を保とうとするべきでない
  • 就職活動で徹底的に自分の意思決定を分析した人は、そうでない人に比べて、採用通知、平均年収が高い。が仕事に対する満足度は低い。
    • →例えば就活では収入軸で比較しすぎてしまうように、重要な決定はプロコンや定量的なことだけで意思決定をするべきではない
  • 年収10万ドル超えの人たちと、その半分の年収しかない人で総じて幸福度は変わらなかった。むしろ通勤時間と幸福度が反比例する
    • →必要な費用を自分でとらえること、収入以外の軸を明確にしてきちんと判断することが大事
  • 「心理的反発」しちゃ駄目って事はしたいよね。それを利用して人に物をやってもらったり、好きになってもらう方法もあるよ。
  • 酒税10%アップで、消費は3,4%ダウン。たばこは8%ダウン。特に未成年者の喫煙が減る。喫煙のリスクが高い人たちがたばこ税の引き上げを歓迎するという結果。たばこは増税すべき。徐々に。(急ぐと闇市場ができるので)

 

2011年9月19日月曜日

い草の買い付け、5トンなり

今日は急遽出張でプノンペンに行き、5トンのい草を買ってきました。

おおよそ年間の半分程度の消費量になり、来年の1月〜6月頃に使用する予定のものです。現在ほとんどのい草はカンダール州の農家の方やNGOの方から仕入れています。カンダール州はプノンペンを含む、シェムリアップから300Km程度離れた場所になります。 過去に一度栽培にもトライしましたが、やはりノウハウが必要で難しかったこともあり、カンボジアの農家の方の協力でい草を確保するようにしています。

い草が無ければ商品を全く作れませんので、確保には大変気を遣いますし、どうしても大きな買い物になるので買い方にも気を遣います。

今回は

・ベトナムの会社やマットの輸出用で使用するい草の量が増えており、確保が難しくなってきていること

・2010年初旬にとれた古いい草の方が良く乾いており、軽くなってお得な上に使用しやすいこと

などの理由で今回一気に買い付けることになりました。

 

下記にその様子をご報告しますね。

IMG 0211
在庫で詰まれているい草です!ドイツのNGOの協力で出来ている巨大な倉庫に入っていました

IMG 0209
まずはい草の品質をチェック。ムダが出ないように良い品質の物だけ買っています

IMG 0212
こちらはベトナム向けに売っている質の悪いい草。しかし色染めと機械織りの技術があり、あまり質は気にしないそう。値段は3分の1くらいなのです。

IMG 0213
長さもチェック。1.2mの幅のマットを織るためには1.4m程度の長さが必要です。

IMG 0215
最後に購入するい草の重さをチェック。一度に500Kg程度はかりで量って合計5トンを購入しました。

IMG 0216
トラックに乗せて運びます。途中無くなったりしないように数もしっかりチェックしてますよ。

ナイトバスで行って、その日のうちにバスで帰ってきて少し疲れたので明日は半休です。スタッフのみんなもお疲れ様でした。

2011年9月2日金曜日

石川さんの活躍

今、カンボジア事務所にはプロボノとして、日本でコンサルタント会社にお勤めの石川さんが3週間いらしています。

石川さんは今年のゴールデンウィークにも3日間、カンボジア事務所にいらして頂き、「いかにCF事業が自立していくか?」というテーマで必要なプロジェクトやスケジュールの作成を支援して頂きました。
今回はまずその続きということもあり、休みを取られて来て頂くことになりました。また、石川さんの派遣にあたってクロスフィールズさん に支援を頂き、作業の設計や現地での仕事の仕方のサポートを頂きました。この場を借りて御礼いたします。クロスフィールズさんについてはどこかできちんと書きたいのですが、元かものはしインターン生も起業に加わっている素敵なNPOですよ。

さて、何が凄いって石川さんの仕事っぷり。最初の一週間でほぼ「ワーカーの人材評価の仕組み」「スタッフの人材評価の仕組み」を作り上げ、ドキュメント化してくれました。2週目の今週は「短中期でいかに売上を伸ばすか。ナイトマーケットのかものはし店舗の改善点を消費者インタビューからあぶり出す」ということで、ナイトマーケットに一緒に乗り込み様々な提案をしてくれています。

作業の早さ、考え方や仮説を出す早さ、仕事の詰め方など参考になるところが多く、今回のプロジェクトのゴールだけではなく様々な点で今後カンボジアの事業が改善しそうです。

かものはしとしては絶好調だったナイトマーケットのお店の販売、さらに5倍にする目標を頂きましたのでスタッフとともにがんばろうと思います。

 

会議中の石川さん
ナイトマーケットでのお客様インタビューのやり方について指導中の石川さん

P8313724.JPG
スタッフとも打ち解けています

P8313739.JPG
顧客インタビューをナイトマーケットのお店で指導中

2011年9月1日木曜日

村の女性とナイトマーケット見学

6月18日にオープンしたナイトマーケットですが、順調に売上を伸ばしつつあります。
※ただ目下、生産が課題で商品をあまり補充できないため、補充できればもっと売れるのだけれども。。。

さておき先日、初めて工房で働く女性と一緒にナイトマーケットに行ってきました。

写真に写っているのが商品開発を担当しているメックです。あまりシェムリアップの街に来たこともなく、ましてや初めてのナイトマーケット。

大分緊張していたようでしたが、実際に自分たちが作っている商品を沢山のお客様が買っていくのを見て、本当に嬉しそうでした。
また、工房ではなかなか見ることが出来ない、競合のお店の様子や商品も見ることができ、大きな刺激になったかと思います。

今後も定期的にどんどんと女性をお店に連れて行こうと思います。
訓練してショップスタッフもやってもらいたいなぁ。

(写真: 左:メック(商品開発チームリーダー)、右:ソヴィエト(ショップスタッフ))

2011年8月10日水曜日

工房に電気がやってきた!

先日発電機の購入を検討しているとブログでも書いたのですが、とうとう発電機を購入し工房に電気がやってきました。目的は電気ミシンの導入と、工場管理スタッフ用のオフィスワーク。

このところ、販売に生産量が追いついていない状況が続いており、エイヤと導入しました。
効果はこれから検証していきますが、今回は導入した様子をお伝えします。

購入した発電機。とりあえずは1台を購入して様子見です。
5Kwで20A程度まで耐えられるそうです。
配線工事などは経費節減のため、もちろん自前でがんばります。
二重屋根の裏を通して配線
普段はオフィスワークのソバンが大健闘。
梁の上でもへっちゃらです。

この電線カバーは水道管のようでいただけないので
ナチュラルな色に変えるように指示しておきました(汗

電気ミシンと言ってもなんと足踏みミシンにモーターをつけるだけ!
使いたくなったら足踏みもすぐに使えるんです。
大分使い勝手が違って大変かとおもいきや、
さすがベテランワーカーのチャンティ。
すぐに慣れてスピードアップしていました!

縫っている様子を動画で。


まだ始めたばかりですが、電気ミシンとパソコンだけでなく、

  • 大切な作業の時に手元を照らすライトのための電気
  • 大切なプリントをPCから印刷するプリンターのための電気
など当初想定していなかったことにも電気が早速役に立っています。

また、発電機を長く大切に使うためにはメンテナンスが欠かせません。メンテナンスを担当するのはドライバー兼なんでも担当のMr.ソン。相変わらずの渋さでがんばってくれています。

ドライバーとして女性達の送り迎えを担当するだけでなく、
ファクトリー内の工事全般を担当しているMr.ソン。
なんと発電機のメンテナンスも少し経験がありました。
いぶし銀です。
電気ミシンの様子はまた今後も報告しますね!

Zenback